ホームインスペクションとは?
福岡のホームインスペクション(住宅診断)業者の“クマホーム”では、NPO法人日本ホームインスペクターズ協会(JSHI) 公認の「ホームインスペクター(住宅診断士)」が、お住まいの劣化状況や欠陥の有無、改修すべき箇所やおおよその費用などを診断するホームインスペクションを行なっています(宅建業法上の建物状況調査とは異なります)。
どんな建物でも、竣工を迎えた日から風雨にさらされ、場合によっては、壁にヒビが入ったり、コケが生えたり、雨漏りしたりと劣化が徐々に進んでいます。 住宅の劣化・欠陥の事例はこちら
こちらでは、ホームインスペクションついて、メリットや注意点を含め、くわしくご紹介します。
住宅の劣化・欠陥の例
住宅の劣化・欠陥の例をいくつかあげていきます。
外部塗装の劣化 | シロアリの被害 | 傾いた家 |
---|---|---|
雨風や紫外線よる塗膜の経年劣化です。防水性が低下している状態のため、進行すると基材を傷めてしまう可能性があり、最悪の場合、雨漏りが発生します。 | 暗く湿気の多い床下は、シロアリの繁殖には、絶好の環境です。シロアリはわずかな隙間からも侵入するため、床下にコンクリートを打っていても、安心はできません。 | 土地の不同沈下は宅地造成の不良のみでなく、近所の環境変化によっても発生します。傾いた家での生活は、身体に異常を及ぼすこともあります。 |
外部塗装の劣化 | 雨風や紫外線よる塗膜の経年劣化です。防水性が低下している状態のため、進行すると基材を傷めてしまう可能性があり、最悪の場合、雨漏りが発生します。 | |
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シロアリの被害 | 暗く湿気の多い床下は、シロアリの繁殖には、絶好の環境です。シロアリはわずかな隙間からも侵入するため、床下にコンクリートを打っていても、安心はできません。 | |
傾いた家 | 土地の不同沈下は宅地造成の不良のみでなく、近所の環境変化によっても発生します。傾いた家での生活は、身体に異常を及ぼすこともあります。 |
ホームインスペクションについて
住宅は大きな資産価値を持つものであり人生で一度あるかないかの大きな買物です。後でトラブルになったり、後悔しないためにも、購入・売出の前にはその住宅に問題がないかしっかり調べることが大切です。そこでオススメするのが「ホームインスペクション(住宅診断)」です。
ホームインスペクションの特徴は次のとおりです。
調査する人 | NPO法人日本ホームインスペクターズ協会(JSHI)の資格試験に合格し、 認定会員に登録したJSHI公認のホームインスペクター(住宅診断士) |
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行うこと | 買い主側でも売り主側でもない中立の第三者の立場から、建物を診断・調査・報告し、アドバイスを行う |
調査内容 |
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目的 |
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つまり、ホームインスペクションは 「建物の現在のコンディションを知る」ためにとても重要なものなのです。
ホームインスペクションの位置づけ
一口に住宅の検査や診断といっても、その内容や目的によってさまざまなものがあります。
その中でホームインスペクション(住宅診断)とは、
- 建物の現在のコンディションを把握し報告することを
目的とし - 目視および計測といった非破壊手法(穴をあけたり壊したりしない)による
- 比較的短時間で、検査可能な範囲でおこなわれる
「一次診断」です。
医療でいえば健康診断を受けると、検査の結果に基づいて医師から診断を受けます。すぐに治療する必要がなく経過観察ですんだり、精密検査が必要だとすすめられたりすることもあります。そして、精密検査(二次診断)を実施することになった人は、より専門的な検査器具や設備の整った総合病院などで診てもらうことになります。
クマホームが行うホームインスペクションもこの「一次診断(健康診断)」です。ホームインスペクションではわからない項目があり、懸念がある場合はその内容をご説明して二次診断をおすすめします。
建物 | 医療に例えると・・・ |
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メンテナンスのための点検 | 保健師 |
ホームインスペクション | 町医者 |
よりくわしい調査、耐震診断、雨漏り・漏水調査など | 町の総合病院 |
部位別詳細、大規模調査、解析、分析 | 大学病院・専門医療機関など |
米国では州によって異なりますが、住宅取引の70~90%でホームインスペクションが行われており、すでに常識となっています。
国土交通省 中古住宅市場活性化ラウンドテーブル平成25年度報告書付属資料より抜粋
日本でも近年、急速に普及が進んでいます。2013年6月に国土交通省から「既存住宅インスペクション・ガイドライン」が出され、インスペクションの内容・調査範囲・調査資格者などに一定の基準が設けられるなど社会的な環境整備が進められています。
ホームインスペクションのメリット
安心して住まうために、また納得して取引を行うために、ホームインスペクションには次のようなたくさんのメリットがあります。
買い主様にとってのメリット
- 住宅の専門家であるホームインスペクターが検査・診断するため、安心して購入・居住できる。
- 入居後に不具合が判明して売主様側とトラブルになったり、補修工事を行ったりする際のわずらわしさを回避できる。
- 「欠陥住宅」や「買ってはいけない住宅」を購入するリスクを減らせる。
- 購入後「いつごろ」「どこを」修繕すべきか、またその目処が立つので見通しを立てられる
- 報告書を住宅資産価値の維持に用いるためのデータ「住宅履歴書」として残したり、売却時に新たな買主様に引き継ぐことができる。
売り主様・仲介業者様にとってのメリット
- 買主様に対し、住宅のコンディションを明らかにできるため、余計な心配や不安を抱かれることなく、取引がスムーズに行える。
- 売却後に不具合が見つかり、買主様とトラブルになるのを防げる。また、もし不具合が見つかっても、意図的に隠していたと誤解されずに済む。
あらゆることに説明が求められる現代において、専門的な第三者からの客観的な情報は、買う側、売る側、仲介する側、取引に関わる全ての人にとって利益になります。
ホームインスペクションは、安心・安全の取引に、大きなメリットをもたらすものなのです。
ホームインスペクションと他のサービスの違い
国土交通省がホームインスペクションの普及に力を入れ始めて以来、補助金事業を始め、いろいろな制度において「インスペクション」を行うということが必須条件となってきています。
それに伴って、ホームインスペクションや住宅診断というワードをよく見るようになってきましたが、それぞれの内容に関して明確に区別がつく方はあまり多くないのではないでしょうか。
インスペクションや診断という名のつく類似の制度について簡単に解説させていただきます。
その1:耐震診断
大きな地震が発生した時に建物が倒壊しないかどうかを調べる検査が耐震診断です。そのため、ホームインスペクションとはそもそも趣旨が異なります。ただ、耐震診断の結果は、住宅の購入検討時にその建物のコンディションを知るうえでの重要な情報でもあります。
したがって、ホームインスペクションにプラスしてのオプションサービスとして耐震診断を行っている業者も少なくありません。目視・計測という非破壊手段による診断という点が、ホームインスペクションと似通っているためです。ホームインスペクションにオプションサービスとして追加する場合の耐震診断は、基本的に「一般診断」になります。
※一般診断では、耐震改修等の必要性の判定を目的としており、必ずしも改修を前提としない診断方法です。
調査にあたっては原則、内装材や外装材を剥がしたりせず目視計測によって行います。
※中古住宅の売買時、耐震基準を満たし耐震基準適合証明書を発行することが可能な場合は、住宅ローン控除、登録免許税・不動産取得税の減額、地震保険の割引などのメリットがあります。
その2:既存住宅性能評価
平成12年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進などに関する法律(以下「品確法」という。)」に基づく制度です。良質な住宅を安心して取得できる目的をを形成するため、消費者が容易に比較検討できるように、住宅の性能を表す共通ルールを設けることが目的とされています。
基礎、外壁、屋根、屋内の壁や柱、天井、階段、バルコニー、開口部、土台および床組、小屋組、給排水など設備器具など17項目を調査する現況検査が行われるほか、利用者の希望により、構造の安定、火災時の安全、維持管理更新への配慮、空気環境、光視環境、高齢者などへの配慮、防犯に関することの7分野21項目からなる個別性能評価(オプション)も設けられます。
※腐朽やシロアリの害の検査はオプション
住宅性能評価書を取得すると、地震保険料の割引を受けられます。
※住宅瑕疵(かし)担保責任保険の検査料や保険料の優遇、フラット35適合検査の一部省略といった他制度との連携があります。
その3:既存住宅状況調査
既存住宅状況調査とは、住宅瑕疵保険が適用できるかどうかを調べるための検査です。従来であれば瑕疵保険加入時に保証者となる建物の検査機関と、住宅瑕疵担保責任保険法人による検査の2回の現場調査が必要でしたが、この制度により住宅瑕疵担保責任保険法人の検査を書面審査で済ますことができ、手間とコストを軽減できるメリットがあります。
つまり、あくまで瑕疵保険制度を使うための調査であり、そもそもの目的がホームインスペクションと異なります。但し、購入の際、ホームインスペクションを行って現在のコンディションを把握し、その上で瑕疵保険にも加入して、もしもの場合の保険がかけられるという意味では補完関係にあるとも言えます。
※個人が所有する住宅の売買において、検査に基づき住宅の基本構造部分などの基本性能を保証する検査会社が加入する保険です。住宅の基本構造部分などに瑕疵があった場合に、住宅取得者様に対して保険金が支払われます。
宅建業法の改正により、2018年4月から宅建業者は既存住宅の売買時に「建物状況調査」というインスペクションについて説明すること等が義務づけられました。この調査の内容は、既存住宅状況調査の基準に準じたものです。
その4:フラット35適合調査
フラット35適合調査の目的
長期固定金利住宅ローンフラット35を利用するために、購入する住宅が住宅金融支援機構の定める技術基準に適合しているかを示す適合証明書の交付を受けるために物件の検査を行います。
長期固定金利住宅ローンフラット35を利用するために、購入する住宅が住宅金融支援機構が定める技術基準に適合しているかを示す適合証明書の交付を受けるための物件検査。接道、住宅の規模、規格、床面積、構造、耐震性、劣化状況などを検査します。
読んで字のごとくフラット35の利用条件に適合するかどうかの調査であり、ホームインスペクションや類似の制度とも趣旨が異なります。
その5:他団体や各社のホームインスペクション
2013年6月に国土交通省が「既存住宅インスペクション・ガイドライン」を発表して以来、ガイドラインの内容を満たすことで「〇〇インスペクション」とうたえるようになりました。NPO法人、協議会、一般社団法人などの各種団体のほか、一般企業が自社独自の基準に基づいて行うインスペクションなどがすでに存在します。
そもそも“インスペクション”とは調査・診断という意味。例えばリフォーム業者が工事の前に行う「現地調査」や不動産業者が売出し前にその住宅を調べる「物件調査」などをインスペクションと呼んでも間違いとかニセモノとかいうことではありません。
但し、ここまでご説明してきたような建物の状態を第三者的に診断報告する「ホームインスペクション」とは、別物であることには十分お気をつけ下さい。
ホームインスペクションにおいて重要なのはあくまで、「公正」「中立」「第三者性」。
つまり、その取引とは直接関わりのない「第三者」の専門家が「中立」な立場から「公正な基準」で調査報告を行うことです。