福岡市西区で所有戸建て点検ホームインスペクション(住宅診断)を行いました。
福岡市内で所有一戸建てホームインスペクション(住宅診断)を行いました。
昨年中古物件をリノベーションして住み始められた依頼者様。
・断熱工事や調湿効果のある自然材料を使用したのに室内の湿度が常に70%を超えている。
・一部屋だけ手をつけなかった和室の天井や押入れにカビが大発生した。
・エアコンをつけない時期に体調が悪くなる、犬の毛が抜ける。
といった症状に悩まれていたそうです。
施工会社に相談し、近々対策工事が行われるということでしたが、
・そうなった理由について説明がない。
・原因が知りたい。
・対策工事で改善するのか。再発しないか。
という点が気になって、セカンドオピニオンとしてのホームインスペクションをご依頼されたということでした。
伺うと確かに室内は湿っぽく空気の重たさを感じました。室内のあちこちに置かれた湿度計も軒並み70%を超えています。そして断熱されていない和室の方から足元へ漂ってくる冷気。
単純に和室だけ断熱がされていないので室温差が大きくて結露→カビ発生という流れかなと思っておりましたが、床下に潜ってみると・・・
床面の土は全体的に湿り気を帯びており、床下空間に湿気を放っています。それと束からの吸い上げもあってか、床下木材にはいたるところにカビが発生していました。
最初に断熱リフォームの話から入ったので問題意識が断熱工事の方に向きがちでしたが、百聞は一見に如かず、現地を確認して発想が反対だったことがわかりました。
私が出した結論からいうと、原因は床下環境の悪さです。
そもそも床下が湿っぽいから床下換気扇がついているのでしょうに、リフォーム時に半数以上の床下換気口が埋められ、さらに業者の指示(と仰っていた)で床下換気扇のスイッチもOFFの状態。
これで床下はカビだらけです。
その湿気が床上に上がってきているものと思われますが、断熱工事をしたのでなるべく換気をしないように言われているとかで屋内の換気扇もあまり使用していなかったとのこと。
24時間換気もなし。
ひとまず床下床上ともに換気扇を常時運転していただいて、2,3か月様子をみていただくようお願いしました。まずは床下の湿気との付き合い方を考えるべきかと思います。でないとせっかくの自然素材の調湿効果も活かせないでしょう。
断熱にとって換気が難敵なのは理解できます。
しかし、まずは健康と暮らしやすさ重視で。
これから断熱リフォームブームが来ますが、こういったいろんなところでの理解不足・説明不足による被害が多発する予感がしました。
※今回は湿気問題に焦点をあてています。ただ、画像に見えるように基礎を大きくハツっている耐震性に対しての問題もこの物件では存在しています。お施主様は耐震性に対してはなんら説明を受けていないということ。いろいろと問題のある現場でした。